白ウサギ     

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西暦20×○年 私は16歳の女の子 とある都会から避けて暮らしていた この女の子の名前は宮島有栖川=アリス ある晴れた夜空の星を 2階の窓から眺めていた 『綺麗… 今日は一段と綺麗に見える…』 そこで 身を乗り出し屋根に上がり座っていた 『こんな事してたら姉さんに叱られるだろうな…』 こんな事をさらりと 言っても辞めないけどさ そんな事を言いながら眺めていたら 突然目の前の草原から 一匹のウサギが現れた ただのウサギならかわいい一つですんだろうに そのウサギは何故か服を着ていた そして二足素行に首から大きな時計… おまけにそのウサギは 『大変だ 早く連れて行かないと!!』 しゃ…喋った… 喋りやがったぞこのウサギ… そしてそのウサギと眼があった瞬間… ヤバイと心の中でそう思った… そのウサギは眼があったとたんニヤリと笑った ウサギといったら可愛いが普通だろうが あのウサギのあの笑みは冷たいような 何か企んでるような殺気をおびた眼をしていた 何だか怖い!! そしてウサギは… 『み・つ・け・た……』『⁉』 見つけた⁉何が 私は後退り窓に手を置きウサギの様子を見ながら中に入ろうとした だが ウサギは後ろから『逃げても無駄だよアリス』 『…っ!?!!!!!!! 』 私はとっさに振り返った 『ひっ…!?!!』 振り返ったそこには 先程 家の前の草原で気味悪く笑っていたウサギが 今は私の目の前に居る… 『逃がさないよ…アリス』 私の叫び声は 誰に聞かれる事も無く その場所から消えて無くなり ただ 開け放された窓と 部屋の蛍光灯が淡い光を放つだけだった――
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