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それからしばらく……いや、だいぶして編集長は現れた。
時間ギリギリだというのに、尻を振りながら優雅に歩いてくる。
「お待たせ」
ほのかに薫る甘い香りに少しときめいた。
「待ちました」
もしかしたら、俺達は沖縄で、ときめきメモリアルかもしれない。
そうだ。性格はキツいが外見は見事。水着もありかもしれない。
「小尾!早くしろよ」
独り妄想していた俺に、現実世界の悪魔からお呼びが掛かる。見ると、編集長はゲートを抜けていた。
さっきの妄想はなんだったのか?妄想で消費したカロリーを返して欲しい気分だ。
「今行きますよ」
溜め息をついて、歩き出す。
悪魔と共に、悪魔崇拝者の元へ向かうのか……とんでもない出張になりそうだ。
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