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時は過ぎ、高二の冬休みになった。
相変わらず、僕は結乃としょっちゅう遊んでいた。
ある日僕は、暇をもてあまして駅前の商店街に来ていた。
正月だからか、辺りは人で溢れ返っていた。
適当に店を見て回ってから、
ファストフード店に入って一休みすることにした。
すると、見知った背中を見つけたので僕は声をかけた。
「よう、山本」
すぐに失敗したと思った。
振り返った山本の顔は、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっていた。
決して誇張ではなく、まさにぐしゃぐしゃという表現がぴったりに思えた。
「おう、青葉か……聞いてくれよ。実はさ──」
その後、僕は延々と山本の失恋話に付き合わされるはめになった。
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