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一輪の花
愛される事を無くした
枯れた花がありました
誰にも気付かれず
ひっそりと咲誇る
気付いてくれと叫びながら
誰も気付くなと
心を枯らす
愛される事を忘れた
哀しい花がありました
罵声と暴力
罪と罰を科せられ
心に氷が張り巡る
雫を流す「意味」さえ忘れた
憐れな花でした
すべてを失った
美しく残酷な花がありました
そんな花を愛する者
一人現われる
「人」は花を想い
暖かい雫を落しました
愛される事を思い出した
温かく冷酷な花がありました
一粒の雫では
氷を溶す事も
花を潤す事も叶わない
でもそれは
全てが始まる
大切な
大切な
一粒となった
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