うめぼしVS私

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うめぼしVS私

今日もヤツがやって来る しろいしろい 真っ白な ご飯の真ん中を我が物顔で どんと陣取る 小憎たらしいあんちきしょう 腐らない為だか 何だか知らないが 食べた瞬間に「うっ…」ってなる あの 梅干し顔になるのが気にくわない いやいや 好きな味も有るんですよ? 「うっ…」ってなっても 好きな味 でも 見た目と薫りじゃあ 味は見分けれない 私、エスパーじゃないですから 今日もヤツがやって来た 蓋を開けると …ほら やっぱり 存在感溢れんばかりの 赤い小粒 コイツは私の 好きな味? 嫌な味? うん、 分からない この一粒で これからの私のテンションが決まる 勝つか 負けるかの 真剣勝負 顔はポーカーフェイスきめて ひとり心で アホみたいな葛藤を繰り広げる ソロリと箸でつまみ ジッと見つめる 穴が空くほど見つめても …うん やっぱり分からない 食べてテンション下がったらどうしよう… なんてコトを考えていると ふと、気が付いた あることに気が付いた 食べなきゃよくね? 目からウロコとはこの事か そうすりゃ私の不戦勝 摘まんだそれを蓋の上にぽとり ふう、と一息1つ 一仕事 ヤツを見下しにやりと笑う 今日は私の勝ちだ ご飯を箸で摘まみ ぱくりと一口 わたしは 「うっ…!」…となった 油断した 真っ白なごはんの上 ヤツが残した 赤い軌跡 … どうやら今日も 私の負け 次こそは…  勝つ!!
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