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義之『冗談だって。それより、どこ寄って行く?』
由夢『ん―…じゃあ、あったかくなってきたし、桜公園でクレープ食べない?』
義之『……そうだな』
そう言って頷いた後、兄さんはわたしへと手を差し出した。
わたしは黙って、その手を握る。
わたしが左側で、兄さんが右側。
この春の風景みたいに優しくて穏やかな日々。
だけどわたしは、こうして兄さんの横顔を見てると……悲しくなる。
幸せなはずなのに。
なのに、なぜか涙がこぼれそうなくらい悲しくなった。
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