sorrowful-現実-

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あの日、わたしは兄さんを夕日で赤く染まった屋上へと連れてきた。   目に映るもの全てを染め上げ、焼き尽くすような赤、赤、赤     風に煽られ広がるスカートを軽く押さえながら、わたしは兄さんの方を見た。   自然と見つめあう形になった。     由夢『楽しかったね、デート』   義之『あぁ』   由夢『ほんと、楽しかった…夢だったんだ。ずっと。兄さんと恋人同士になるの。小さい頃からの"夢"』     兄さんへの思いを口にするとだんだん悲しくなる。     由夢『……でも、やっぱりそれは夢で、わたしはね、ずっと諦めてたの』     悲しくて苦しいでも…    由夢『だって、わたしの望みは叶わないんだもん』     伝えなきゃ。image=196558017.jpg
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