第1章~天才の中の平凡?~

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彼は榎本 草【えもと そう】。 ヤクザの一家の、将来を有望視されている長男だ。 この学校には、喧嘩の強さと統率力を認められて入学した。 赤く染められた髪に、大量に付けられたピアス。 ジャラジャラと揺れるシルバーアクセサリーが似合っている。 強面でぶっきらぼうだが、面倒見が良く、正義感が強い。 彼もまた鵬帝メンバーだが、他のメンバーとは異なって、表立って騒がれる事は無い。 しかし彼は男女問わずに人気がある。 彼は騒がれるのが苦手で、以前すごく騒がれた時に逃走したらしく、それ以降ひっそりと大人気なのだ。 「草は朝っぱらから眠そうだね」 欠伸を噛み殺す草を見て水城がそう言うと、草は横目で水城をじろりと見た。 「誰のせいだよ…ったく、人使いの荒い…」 「ごめんって。でも助かったよ。ありがとう」 水城がにっこり笑って…まあ、髪に隠れて口元しか見えないが…お礼を言うと、草は水城の頭をがしがしと撫でた。 「うぎゃ!?何するのよ…髪ぐちゃぐちゃになるし」 「今更じゃねぇか…。まあ良い、俺また寝るから、昼休みに起こしてくんねぇ?」 「ん~…わかった」
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