第1章~天才の中の平凡?~

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都心部に、広大な土地を使った巨大な建築物がある。 見渡す限り広がる塀に囲まれた中には、小さな子から成人した者まで、次々に入っていく。 ここは、少なくとも何か一つ、ずば抜けた才能を持っていなければ入れないという特別な学校。 学業は勿論、芸術、日常のあらゆるものに秀でた…いわゆる天才が集まってくる。 入るには困難な道のりだが、卒業すれば大手企業からも引っ張りだこになるという。 幼稚園から大学院まであるが、スカウト以外で途中で入るのは困難とされている。 そんな学校なため、生徒達は大した変化もない退屈な生活を送っていた。 それを憂いた何代目かの学園長は、生徒の代表組織を作り、そこに先生以上の権力を与えた。 それは生徒会として存在し続け、実績を残し続ける事を条件に様々なイベントを作り出してきた。 それがこの学園…国立鳳凰学園に数多のイベントがある所以である。 このイベントを含め、学校のほぼ全てを運営する生徒会は、代々の生徒会メンバーしかその正体を知る者はいないとされている。 先生も…学園長すらも知らない。 誰も知らない生徒会と連絡を取れるのは、学校のパソコンからだけである。
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