第1章~天才の中の平凡?~

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走ってきた車は静かに道の端に寄り、丁度水城の前で止まった。 ガチャッ 後部座席から降りてきたのは、長身の少女だった。 「おはよ、水城!」 お日様のような眩しい笑顔を振りまきながら、この可憐な少女は水城に挨拶をした。 「おはよう、栗華【りつか】。わざわざ迎えに来なくて良いって言ってるのに」 困ったように水城が言えば、栗華は不満そうに言い返した。 「私は来たいの!それにちゃんと水城の目立ちたくないって言うの尊重してるじゃない」 ちなみに彼女は暁中 栗華【あきなか りつか】。 大企業の社長の一人娘で、自身は有名な女優である。 様々な分野の有名人が揃う鳳凰学園の中でも有名な人物なのだ。 だが気さくで明るく、優しい性格のため、友達も多い。 そんな彼女が言う目立たない配慮とは、 車の走行音を減らす 車を一台にする とかその辺の事である。 これでも彼女にしてみれば配慮しているのだ。 しかし…朝っぱらから普通の住宅地を高級車が走っていたらはっきり言って目立つ。 しかも中から降りたのは超有名人。 周りからの視線はもう独占してる感じだ。
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