第1章~天才の中の平凡?~

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だが栗華はそんな視線もなんのその。 「ほら、早く乗らなきゃ授業遅れちゃうよ」 水城の腕をはしっと掴んで、ポイッと車に放り込んだ。 「ぅわ!?」 水城の驚きの声もスルー。 すぐに水城に続いて車内に入り、ドアを閉めた。 車はゆっくり走り出し、徐々にスピードを上げていく。 水城は諦めて大人しく座り直し、窓の外を眺め始めた。 流れていく景色は、住宅地を抜け、街中へと変わっていった。 (最初は電車通学だったんだけどな…) ぼぅっとしながらここ数ヶ月の事を思い出す。 水城は一般家庭に生まれた一人っ子で、特に目立った事も無い平凡な暮らしをしていた。 学校だって、本当は普通の私立に通っていたのだ。 しかし高校も1年目を終えたある日、突然学園からスカウトが来て鳳凰学園に入学を進められた。 最初は断っていたが、学費を全額免除してくれるという事と、学園の代表が言った言葉で転校を決めたのだ。 だが、学園に入学したものの周りはみんなエリートとして育った人だ。 最初はなかなか馴染めなかった。 しかし、幸か不幸か彼女は意外な人たちに懐かれる事となる。
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