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走りつづけていた車は、やがて一つの門の前で停止した。
しかし栗華も水城も降りようとはしない。
その門は片側3車線の広さがあり、車線1つにつき1人の警備員がついていた。
一台一台確認され、中へと通される車。
すぐに水城達が乗る車の番になった。
「学生証を見せてください」
珍しいのは、運転手ではなく乗っている生徒の方を調べる点だろう。
水城と栗華が学生証を渡すと、機械に通されて確認される。
「お待たせしました。どうぞ」
そうして、また車が走り出した。
門に入った筈なのに、都心部である事を忘れてしまいそうな森に入った。
そこを抜けると、大きな建物が見えてくる。
ここが、鳳凰学園。
関係者以外は立ち入りを許されない、ある意味陸の孤島となる学園である。
まるで西洋のお城のような風貌に、それに相応しい大きさ。
よく大きさを表すのに東京ドーム何個分等と言うが、この学校には学生が使うドームがある。
池も、森も、山も…
ショッピングモールも、遊園地も…
とにかく敷地全体を会わせると、一つの町になるように広い。
寮生も多いため、敷地だけで何でも済ませられるようにしようとしてこうなったらしい。
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