第1章~天才の中の平凡?~

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車が止まったのは、そのお城のような建物の前だった。 これが校舎である。 特別教室や、部室なんかはまた別にあるが、基本的に学生は殆どをこの建物で過ごす。 東西南北にそれぞれ一つの棟があり、 東…幼稚園、初等部 西…中等部 南…高等部 北…大学、大学院 という教室の位置になっている。 全て渡り廊下で繋がっており、さらにはエレベーター、エスカレーター共に完備といった充実の設備だ。 彼女達が降りた建物は、南にある高等部用の建物である。 「あ!ほら、栗華さんよ」 「素敵ねぇ…」 「暁仲さん…朝から拝見できるとは」 「やっぱ綺麗だよなぁ…」 栗華を見つけた生徒が騒ぎ出す。 しかし、栗華は慣れているのか大したリアクションも返さない。 「じゃあ、教室に行こっか」 水城の手を掴んで歩き出す。 そのせいか…水城には非好意的な視線が突き刺さった。 しかし水城も慣れているのか、視線の方を見ようともしなかった。 むしろそれに不機嫌になったのは栗華の方である。
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