第1章~天才の中の平凡?~

9/25
前へ
/31ページ
次へ
「はいはい!文句じゃないけど、栗華ちゃんばっかり水城ちゃんと一緒に登校するのはずるいよぉ!」 険悪な雰囲気をぶち壊す、ほのぼのとした声。 その声が聞こえた方を見れば、また生徒達がざわめき始める。 「見て、今度は花月君だわ!」 「はぁ…あいつが女の子だったらなぁ…」 「きゃ~!今日も可愛らしい!」 姿を見せたその少年は、小柄な体に大きな目。 さらさらと流れる茶色の髪に、白磁のような白い肌。 お人形のような…という言葉が似合いそうな男の子である。 彼の名前は七阪 花月【ななさか かげつ】。 150㎝程しか無い身長で無邪気な笑顔を浮かべているが、彼も水城達と同じ高校2年生だ。 父親がF1レーサーで、彼は様々な物を発明する発明家として学園にいる。 栗華も花月も学園内の人気が高く、常に学内人気投票の上位にいる。 その人気投票には、順位は変われど面子が変わらない1~7位のメンバーがおり、そのメンバーは鵬帝【ほうてい】と呼ばれる。 現在の鵬帝は異例の、全員高等部の2年生が揃っている。 栗華と花月は、その鵬帝のメンバーなのだ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加