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「はいはい!文句じゃないけど、栗華ちゃんばっかり水城ちゃんと一緒に登校するのはずるいよぉ!」
険悪な雰囲気をぶち壊す、ほのぼのとした声。
その声が聞こえた方を見れば、また生徒達がざわめき始める。
「見て、今度は花月君だわ!」
「はぁ…あいつが女の子だったらなぁ…」
「きゃ~!今日も可愛らしい!」
姿を見せたその少年は、小柄な体に大きな目。
さらさらと流れる茶色の髪に、白磁のような白い肌。
お人形のような…という言葉が似合いそうな男の子である。
彼の名前は七阪 花月【ななさか かげつ】。
150㎝程しか無い身長で無邪気な笑顔を浮かべているが、彼も水城達と同じ高校2年生だ。
父親がF1レーサーで、彼は様々な物を発明する発明家として学園にいる。
栗華も花月も学園内の人気が高く、常に学内人気投票の上位にいる。
その人気投票には、順位は変われど面子が変わらない1~7位のメンバーがおり、そのメンバーは鵬帝【ほうてい】と呼ばれる。
現在の鵬帝は異例の、全員高等部の2年生が揃っている。
栗華と花月は、その鵬帝のメンバーなのだ。
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