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木村「俺はな、褒められるような医者ではないよ。。。」
どうやらマモルの嘘がバレたわけではないらしい。だとするといきなりの木村のヘコミっぷりにはなにか理由があるに違いない。
なにかあったのか??
マモルは木村に聞いた。
木村は静かに口を開く。
木村「俺には娘がいるんだ。かえでっていうんだけどな。妻とは離婚してるんだがな、子供だけはどうしても自分のもとにおいておきたかったから、親権は俺がもらったんだ。」
マモル「お前娘までいるのか!?フォーっ!!木村フォーっ!」
木村「これがいい娘でな。お母さんがいなくても、お父さんがいるから全然寂しくないって、言うんだよな。」
マモル「フォーッ!かえでちゃんフォー!で?その最愛のかえでちゃんは?今どに?」
木村「。。。入院してるよ、心臓の病でな。余命も、あと一ヶ月だと。」
マモル「余命フォーッ!心臓病フォッ。。。フォ??」
木村「俺は医者として、娘を救ってやりたいと思った。でも俺の病院を見てみろ、こんな小さな病院だ。娘の病気にたいして、出来る事がなかった。仕方なく、街で一番大きな病院で見てもらったが、病の進行は激しく、もって後一ヶ月だとよ。。。笑うだろ?自分の娘も救えないで、、、何が医者だよ。」
マモル「。。。」
マモルは何と言って良いか解らなかった。
ただ、一人の友が今悩み苦しんでいる姿に、なんとかしてやりたいと思う気持ちで一杯だった。
しかし、相手は病魔。
マモルにできる事などなかった。
木村同様に思う。
なにが世界を救う勇者だ。一人の友も救えないじゃないか。。。
悔しさでいっぱいだった。自分自身の力量なんてのは、こんなものなのかと、ひしと感じているから。
人間では誰もこの状況を変える事が出来ない事はわかっている。
ただ、マモルは自分が出来る事をやるだけやろうと思った。
一つの光。
この状況を変えられるとしたら、きっとあの人しかいないであろう。
妖精 フィーネ。。。
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