第五章 フィーネの力

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友人である医者木村の家の一室を借り、一夜を過ごす事になったマモル。 マモルは待っていた。 夢の中にフィーネが表れる事を。 フィーネなら、病気で一ヶ月の余命である木村の娘かえでちゃんを救えるかもしれないと考えているからである。 そんな思いのなか、いつのまにか眠ってしまっていたマモル。 そして。。。 「起きなさいマモリ。」 いつもの一言。 フィーネだ。 マモルは跳び起きる。 そこには、テレビの上で背筋をしているフィーネがいた。 フィーネが聞いてきた。 勇者マモリよ、旅は順調ですか?? マモルは言った。 今、久しぶりに再会を果たした友人がいる。 その友人の娘が病魔に襲われている。余命はあと一ヶ月だ。。。俺は世界を救うまえに、目の前の一人の命を救いたいと思っている。 フィーネは言った。 そうですか。一人を救いたいと思う気持ちがなければ、とうてい世界を救う勇者にはなれません。 マモリは今、勇者としての試練を受けているのですね。 マモルが言う。 俺は、所詮ただの人間。大きな病気を直す方法など無い。ただフィーネ、あなたは精霊だ。 あなたなら、木村の娘を救う事ができるのではないですか?? 少しの間沈黙となった。 少ししてフィーネは言った。 「娘さんの命を助ける方法が無いわけではありません。」 マモル「そ、それは本当ですかフィーネ!!」 フィーネ「。。。しかし、ただ単に娘さんを救う事はできません。私達妖精は人間の生命エネルギーを、操る魔法をもっています。これは、悪しき魔法として妖精世界では禁止となっている魔法です。この魔法により、生命エネルギーを別の人から、別の人に移す事が可能です。そうすれば、娘さんの命は助かるでしょう。しかし、その娘さんの代わりに、彼女と同じ年の人間が死ぬ事になります。」 マモル「かえでちゃんが助かっても、世界のどこかで同じ年の人が死んでしまう。。。という事か。」 フィーネは言った。 マモリよ。。。 あなたが決断するのです。勇者マモリとしての答えを、一週間後に聞かせて下さい。 そして静かにフィーネは消えていった。。。
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