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ピピピッ…
室内に目覚ましの音が鳴り響く。
「ふわぁ…あ,あ゙!」
「し,7時30分!?」
この部屋の主風間悟は、やっと自分が寝坊していることに気付いたようだ。
トースターにパンを差し込み、電源を入れる。いつも朝はご飯に一汁三菜が良いと言っていたが、今朝はそんなことも言っていられない。さっさとトーストしたパンにジャムを塗り、パクリとかぶりつく。
「サクッモグモグムシャムシャんっ…ぁあ。甘くてうめぇ。やっぱりパンにはジャムに限るね。…っとか言ってる暇ねぇよ!早く行かなきゃ!」
悟はこの間無事大学を卒業し、就職活動の真っ最中なのであった。
「スーツはこれでいいな。」
身支度を整え、リュックを背負い愛車(自転車)にまたがる。
「よし。まだ後8時25分まで20分ある。まだ間に合うぞ!」
悟は勢いよく自転車をこぎ始めた。
「よし、ここを曲がるんだな。」
この交差点を右に曲がればもう会社はすぐだ。悟が間に合ったことにほっとして曲がろうとしたその時ーー
キィーッ! ガッシャーン!
悟はブレーキを勢いよく踏み込み派手に転んだ。曲がろうとした時に向こうから走ってきた女性にぶつかりそうになったのだ。
「ッテテテ…」
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