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しばらくの沈黙の後、
『私、帰るっ』
そう言ってテーブルから離れようとした。
「ちょっと待ってよ」
そんな彼女を呼び止めた男がいた。
もちろん、それは俺。
「今来たばっかりなんだし、まだ帰ることないじゃん♪俺、君と話したいな」
ちょっと甘えた感じで、まだいてほしいという考えを伝えた。
春香ちゃんは、ゆっくり後ろを向いた。
その顔は何て言うか…。
無表情?
普通だったら嬉しそ~な顔するとこでしょ、ここは。
それなのに、無表情って…。
…いやいや!
多分、まだ会ったばっかだからだ。
だから、ちょっと警戒しちゃってんだよ。
そうだ、そうに決まってる。
「春香…」
『う゛~…わかったわよ!』
「ありがと!」
美羽ちゃんには逆らえないのか、春香ちゃんが渋々テーブルに着く。
そして適当に自己紹介を済ませ、みんなで飲み物を頼んだ。
全員に飲み物が行き渡ったところで乾杯することに。
「では、今日の出会いに…」
「「かんぱ~い!」」
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