★走る

5/15
前へ
/204ページ
次へ
“好きだからだよ” って、声が聞こえた気がした。 アイツは、…隆二は、私のこと、本気で好きでいてくれた。 だから、…だから。 『…会いたい』 無意識に、口から溢れた想いに、自分で驚く。 会いたいって、隆二に? なんでよ。 なんで、隆二に会いたいなんて…。 さっきから、心臓ドキドキうるさい。 意味わかんない。 一体どうしたっていうのよ、私。 …あ、お礼。 そう、お礼、まだきちんとしてなかった。 だから、ちゃんと会ってからお礼しないとじゃない。 会いたいんじゃなくて、会わなきゃいけないのよ。 仕方なく、なの。 一人で自問自答して、納得した私は、携帯を取り出し、メール作成を立ち上げる。 そう言えば、自分からメールするの初めて。 どうやって書いて送ればいいの? 隆二は、いつもどうやって送ってきてたかな。 頭に残っているメール内容を手がかりに、カチカチとメールを作っていく。
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1729人が本棚に入れています
本棚に追加