★走る

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美羽に会う前に、もう一度電話をかけてみる。 『…やっぱり繋がらない』 考えてみたら私、アイツのこと何も知らない。 住んでる所、好きな場所。 知ってたら探しにだって行けるのに。 「春香」 ファミレスには、美羽の方が先に着いていた。 隣には颯太君が座っている。 「直接聞いた方がいいかな、って思って呼んどいたの」 『そうなんだ。ありがとう』 二人の向かい側に座り、飲み物を適当に注文して話に入る。 『アイツ…隆二、電話もメールも繋がらないんだけど、颯太君何か知らない?』 「…ごめん、知らない」 意外な答え。 颯太君なら、絶対知ってると思ったのに。 「本当に知らないの?」 もう一度美羽が尋ねる。 「うん…」 「言えないんじゃなくて?」 美羽の問いに、颯太君の動きが止まる。 明らかに様子がおかしい。 「口止めされてるんじゃないの?隆二君に」
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