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「美羽ちゃんを彼女にしたいんだよ」
…彼女。
今まで、俺と同じで不特定多数の女の子と付き合ってきた颯太。
その颯太の口から、まさかそんな言葉が出てくるとは思わなかった。
「ずいぶんいきなりじゃね?」
「…まぁお前に言ったのはいきなりだったけど…好きになったのは、結構前の話」
なんと!
どうやら、コイツは本気で美羽ちゃんに惚れてるらしい。
表情を見ると、なんとなくわかる。
いつになく真剣な表情だ。
本気の恋愛を馬鹿にしている俺だけど、ツレの幸せは応援してやらねーとな。
「頑張れよ」
「おう!お前、狙うなよ?」
「そりゃわかんねーな。めちゃくちゃかわいい子だったら狙うかも」
「だ、ダメだっつの(汗)!」
とりあえず、どの子が美羽ちゃんなのか事前に教えてくれれば狙うことはない。
自分は、ツレの好きな人に手ぇ出す程の最低な人間じゃない。
…と思う。
「お~い、隆二~!颯太~!」
少し遅れて、他のツレも来た。
こうして野郎が全員揃ったところで、店の中に入る。
中で女の子を待つことにした。
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