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「ぶざまだな…」
意識の端から聞こえてきた。
目をやると一人の男が立っていた。
『カオズニス…か』
「…様をつけんか、
この失敗作がッ」
『もぅ従者ではないンでなッ』
不適な笑みを浮かべながらも、いよいよその時が来たと腹を括った。
「まぁ、いい。ストックは幾らでもきくからな。」
そう吐き捨てると詠唱を始めた。
と、同時に…『ボギッ』
ゼイサフは、右手に携えた聖門の鍵を叩き折った。
『さぁ、とことんやろうじゃないかッ』
補助魔法を唱えながら間合いを詰め、奴を見る。
カオズニスは、まだ詠唱途中のようだ。
おのが足に力を込め、刹那…詰め寄る!!
「馬鹿がッ」 『ガギィィインッッ』
ゼイサフはカオズニスの障壁に阻まれ、一撃を貫けなかった。
…力ある言葉が解き放たれる…
「…我が超越たる力…かの者の魂…煉獄の焔で凪ぐ…」
カオズニスの両手に碧い焔が纏わり付き、ゼイサフを嘗めた。
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