エピソードⅠ~開けられた門

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「ぶざまだな…」   意識の端から聞こえてきた。 目をやると一人の男が立っていた。   『カオズニス…か』   「…様をつけんか、     この失敗作がッ」   『もぅ従者ではないンでなッ』   不適な笑みを浮かべながらも、いよいよその時が来たと腹を括った。   「まぁ、いい。ストックは幾らでもきくからな。」   そう吐き捨てると詠唱を始めた。   と、同時に…『ボギッ』   ゼイサフは、右手に携えた聖門の鍵を叩き折った。   『さぁ、とことんやろうじゃないかッ』   補助魔法を唱えながら間合いを詰め、奴を見る。 カオズニスは、まだ詠唱途中のようだ。 おのが足に力を込め、刹那…詰め寄る!!   「馬鹿がッ」 『ガギィィインッッ』   ゼイサフはカオズニスの障壁に阻まれ、一撃を貫けなかった。   …力ある言葉が解き放たれる…   「…我が超越たる力…かの者の魂…煉獄の焔で凪ぐ…」   カオズニスの両手に碧い焔が纏わり付き、ゼイサフを嘗めた。
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