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ピッピッ
「ルルーシュ…」
あの後、ルルーシュをナナリーが離さなかった。
「まだ、まだ息があります!!お兄様は、渡しません!!」
その場に居た者たちは、魔王ルルーシュに恨みがあるにも関わらず、目の前で泣き叫ぶナナリーに悲しみの顔を向けていた。
「ナナリー…しかし、ルルーシュは…」
「コーネリアお姉様。お兄様がしたかったこと、私は分かりました。今…だから!」
「…わかった。ただし、意識を取り戻す気配がなかったら…」
こうして、今に至る。
「貴方は、本当にお兄様を殺すつもりでしたか?」
「…」
ルルーシュの寝ている部屋はガラスで覆われている。
その部屋を見ていた、スザクにナナリーは問い掛けた。
「…私は知っています。貴方は、お兄様を一番愛していたことを。だからこそ…急所は外したのでは?」
「…何を根拠に…」
スザクは手を握った。
スザクの甘さ。
ゼロレクイエム。
覚悟は決めたのに。
「…いいです。お兄様が目を覚ました時、また……昔みたいに…三人で…」
ナナリーは、それだけ言うとその場を後にした。
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