見知らぬ国

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「クゥ、そろそろ食事だぞ」 『うん…どこに行けばいいの?』 「はい??」 『だって…食事…』 「まさかとは思うが…」 『ん?』 「機内にレストランがあると?」 『ええっ!ないの?』 「ええっ!あるの?」 『むっ!』 「いいから座ってろ」 『わかった』 しばらくして美味しそうな匂いがしてきた 「乗り物酔いは大丈夫か?」 『うん、大丈夫』 「クゥは魚でいいか?」 『うん、魚好き!』 「だよな(笑)」 目の前に置かれた 『凱…凱…』 「はいはい、骨を取ればいいですか?」 『違う…どこでお金払えばいいの?』 「クゥ…俺のおごりだ、遠慮するな」 『ほんと?やった!』 「クックックッ」 『ん?』 「何でもないよ」 そう言って凱は笑った てか、笑われてる? でも美味しいからいいや 『幸せ』 「俺はお前を見てるだけで幸せだよ…ププッ」 まだ笑ってるし… 『後、何時間?』 「30分おきに聞くのはやめてくれ…」 『だって…退屈…』 「ほら」 『ん?』 「映画でも観てろ」 『うおっ!すっげぇ』 「おとなしく観ろよ?」 『わかった』 『凱…凱…』 「今度は何だ」 『英語だからわかんない』 「機械にも弱いのかよ…」 そう言って日本語に してくれた 『凱…凱…』 「なんだっ!」 『最初から観たい…』 「頼むから寝てくれ!」 退屈… てか、どこに向かってるんだろう 何も聞いてなかったけど… 凱に任せておけば 大丈夫だよね
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