見知らぬ国

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(空…愛してる…) 奏…俺も愛してる 待って…どこに行くの? 消えないで… 奏…っっ! 「クゥ、大丈夫か?」 『凱…』 「かなりうなされてたから」 『ごめん…』 「髪が汗で…風邪ひくぞ」 『うん…シャワー浴びてくる』 「わかった」 ベットを降り、バスルームに向かう シャワーのお湯を強く出し、頭から熱いシャワーを浴びる 『奏…』 小さな窓から星がみえた 奏のいる場所からも この星空がみえるのだろうか… 死んだ訳ではない 生きていれば必ず逢えると信じていなければ 心が崩れそうで… 知らない国 知らない街 知らない言葉 不安だらけで どうしていいのか わからなかった 「クゥ…大丈夫か?」 『うん…今出るよ』 シャワーを止め、バスルームから出た 「泣いてたの?」 『大丈夫』 「俺が必ず逢わせてやるから…」 『うん』 「その時まで、涙はとっておけ」 『……うんっ』 優しく抱きしめてくれた 凱… 今は凱を信じるしかないんだ そう 信じるしかないんだ…
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