見知らぬ国

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「レイア、王子に話があるから」 楓… 「わかりました」 軽くお辞儀をして 消えた 「助かったよ」 「それはよかった」 「出来れば、もう少し早く来て欲しかったけど」 「少し前からいたけど、お邪魔かと」 「そんな気使いは無用だ」 「わかってるよ」 「はぁ…告白されて、気が重いとか…」 「奏を狙う人は国中の女性全てだと思った方がいいね」 「マジかよ…」 「みんな王妃の座を狙っているよ」 「だから…俺は誰とも」 「そういう訳にもいなかいみたい」 「えっ?」 「近々、王妃選びのパーティーが行われるよ」 「聞いてないぞ」 楓は溜息をつきながら 話を続けた 「余りにも奏が結婚を 拒むから、父上が王妃の権利を国中の女性に権利を与えたんだよ」 「はぁ?」 「まぁ、その中に気に入る女性が一人くらいは いるんじゃないか…?と言う安易な考えみたい」 「いる訳ないだろ…」 「だから、国中の女性はそのパーティーの為に、必死って訳」 そんな話が勝手に… 「だからレイアも…?」 「いや、彼女は昔から奏の事が好きだったみたい」 「お前、知ってたの?」 「言う必要はないでしょ?それとも…レイアの気持ちを受け止める?」 「無理だな」 「だったら、聞かなかった事にすればいい… その方が彼女の傷も浅くて済むからね」 「楓…弟の居場所は?」 「今全力で捜しているよ」 「でも、見つかっても、戻ってはくれないよな」 「それはわからないな…まず、理由を聞き出さない事にはね」 「理由…か」 やはりもう 日本に戻って空に会うのは無理なのか… いつまでも想い続けるのは無意味なのか? 「空……」 星空を見上げ空を想う 椅子に座りギターを弾く楓 とても切ないバラードは胸を熱くする 楓は目を閉じながら涙を堪えていた 誰の為に弾いているのかなんてすぐにわかる だって、その曲は 楓が凱の為に作った曲だから 流れ星が…… 「あの二人に届けばいいな」 「うん」 夜風が少し冷たい でも、空を想えば 心は温かい…
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