見知らぬ国

16/25

1678人が本棚に入れています
本棚に追加
/276ページ
次の日… ロビーで新聞を読んでいたら 「聞いたか?島中の女性が夢中になってる王妃選び」 「ああ、日本から帰国した王子だろ?」 「そうそう!」 「確かに顔もいいしな… 国も栄えてるし、王妃になれば贅沢し放題だな」 「いや、贅沢より王子狙いらしいぞ」 「そんなに女性が夢中になるような王子なのか?」 「なんでも、王子の歌声は世界一らしい」 「おい、その王子の名前は?」 考えるより先に 体が動いていた 「男は無理だぞ」 「そんな冗談はどうでもいい」 「日本人には関係ない話だろ?」 ポケットから金を取り出し、渡した 「教えてくれ」 金をみた男達の目の色が 変わる 「確か…奏多だったような」 「奏多…おい、その島はどこにあるんだ!」 「ここから船だと3日かかる」 「飛行機はないのか?」 「そんなものはない」 「その王妃選びはいつだ?」 「確か…3日後だったような…」 「そうだそうだ、満月の夜にパーティーが開催されるらしい」 「3日後…」 間に合うのか? クゥを連れて行けるのか? しかし迷っている暇はない 多分、これがラストチャンス 「おい、その島に連れていって欲しい」 「いくらなんでも遠すぎる」 「金は好きなだけくれてやる」 その言葉を聞いた男達は 考え込んでいた 「実は…嵐が今夜来る」 「嵐?」 「船を出したら間違いなく直撃を受ける」 「そんな…」 「悪い事は言わない…嵐が去ってからにしろ」 「それじゃ、間に合わないんだ!」 「無理だ…金より命が大事だからな」 そう言って男達は去って行った 何なんだよ! あと一息じゃないか… どうして俺達の邪魔をするんだよっ! パーティーは3日後 それまでに着かなければ 空は… こんなに空は晴れているのに… 本当に嵐なんかくるのか? どうしたらいいんだよ…
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1678人が本棚に入れています
本棚に追加