見知らぬ国

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『凱、早く!』 「わかってるよ…てか、 まだ5時とか」 『だって、もうこんなに明るいし、もしかしたら待ってるかもよ?』 「あのな~…」 はぁ…まぁ仕方ないか クゥは早く奏に逢いたい気持ちはわかるしな てか、ホントに来てくれるのか? もし…来てくれなかったら、クゥは… 『凱!行くよ』 「おぅ!」 荷物をまとめてホテルを出た 空港までは歩いて10分くらい 『誰もいないね…』 「まだ6時前だしな」 ロビーに座り、ひたすら待つ 『凱…もうすぐ10時だね』 「ああ…」 やっぱり、よく出来た話だと思ったんだよな… 助けたくらいで、セスナなんて…普通に考えても無理な話だしな 「はぁ…」 『凱…』 「ごめんなクゥ…期待させちゃって…」 『ううん…気にしないで…船でも行けるんだし』 ああ…行けるよ だけど…… 「お待たせ!」 『凱、凱!』 「あっ…」 笑いながら昨日の女性が立っていた 「待たせてしまいましたか?」 「いや…ホントに行ってくれるのか?」 「約束は守ります」 『ありがとうございます!俺は空雅と言います、よろしく…えっと…』 「サシャよ、よろしくね」 『サシャさん、よろしく』 「俺は凱、よろしく」 「よろしく、凱と空雅」 夢みたいだ… よかった、これで奏に 逢わせてやる事が出来る 「じゃ、行きましょう」 「ああ」 『はい』 サシャについてセスナに向かう 『これで、やっと奏に逢えるんだね』 「ああ」 「空雅、あなたは王子のお友達?」 『あっ…えっと…』 「サシャ…クゥは奏の愛する人だ」 『凱!』 隠しても仕方がない サシャがその事についてどう思ってくれるのか…? 正直怖かった 島についてから言うべきだったかな… サシャは目を見開いたまま、クゥを見つめていた
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