見知らぬ国

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「まずいわね」 サシャの顔が曇る 『どうしたの?』 「この辺りは頻繁に嵐が起こるのよ」 『うん』 「もうすぐ嵐がくるわ」 『また?』 「悔しいけど、今日はここまでね」 『……わかった』 仕方ないよね セスナが飛べないなら 諦めるしかないもん 「クゥ…大丈夫だよ、 まだ時間はある」 『うん』 「今日はこの島に泊まって、明日の朝出発よ」 『はい』 「大丈夫!私が必ず間に合わせてみせる」 『サシャ…』 初めて逢う人なのに こんなに優しくしてもらえるなんて… 『ありがとう』 「今日は美味しい物を食べて、ゆっくり休みましょう」 「そうだな」 セスナから降り、ホテルを探す 「早くしないと」 「だな」 空が不気味な雲に覆われていた 「あそこにしましょう」 サシャに着いて、ホテルに入った瞬間、激しい雷とバケツをひっくり返したような雨が降り出した 「危機一髪!」 『うん』 「あぶねぇ」 三人で顔を見合わせながら笑った 外は雷がすごかったけど 全然怖くなかった その日は美味しいものをたくさん食べて、早めに休む事にした 奏…明日は必ず逢えるよね…
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