見知らぬ国

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凱が戻ってきた 『おかえり』 「空…今すぐ準備しろ!」 『えっ?』 「ほら、見てみろ」 凱が目の前に差し出したのは、さっきの通帳 『ええっっ??』 「これが手切れ金だと 思うか?」 確かに凱の言う通りの ような気がした 通帳には見たこともないような0がならんでいた 「行くだけ行こう…別れるにしても…ちゃんと…言いたい…っっ」 『凱…』 また泣いている凱 俺もそう いつも二人で泣いていた 『そうだね…別れるにしても…ちゃんと別れないとね』 「それともし別れるなら手切れ金を叩き返す!」 『うん、行こう』 こうして俺達は 場所すらわからない 国を求めて、旅立つ事にした 『奏…必ず逢いに行くよ』 『凱…また戻って来れるかな』 「わからないけど、行ってみなければ先には進めないだろ?」 『そうだよね』 凱はすごく強くなったような気がした 耳には楓とお揃いの ピアスが光る 俺も、また指輪をはめる事が出来るかな…
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