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目覚めたら、咲良がこちらを見ていたので、龍一はポカンと固まってしまった。
「…………ぷ。くくく…あはははは…………!!」
その表情があまりに可笑しかったので、思わず咲良は吹き出して笑った。
その勢いで声もようやく出たようだ。
「さ……、咲良!! 良かった、気がついて…。」
「あははは……! …龍一、ふふ、無事で良かったです。」
眼に涙をためるくらい笑った咲良は、まともに言葉が出るまで時間がかかった。
「それはこっちのセリフだぜ…。ていうか、笑いすぎだし……。」
龍一は顔を赤らめて、そっぽを向く。
ふぅ、と咲良は一息ついて、龍一に眼が覚めるまでのことを話した。
「……そうか。じゃあやっぱり、信じ続けて良かったってわけだ。僕たちみんな、咲良が帰ってくるのを信じて待ってたんだぜ。……もう、2ヶ月くらい、かな…」
「に、2ヶ月……ですか? あの、今は何月なのですか…?」
「ん? ああ、あれから2ヶ月くらい経って今は12月だ。ちょうど、冬休みに入った頃だ。」
そんな長い間、咲良は眠っていたのかと思うと驚きだ。
「あれから……、そっちでは何があったんですか…?」
「そうだな…。…咲良がいきなり倒れて、びっくりしたんだ。森川が頑張って治してくれたんだけど………」
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