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キーンコーンカーンコーン
チャイムがなり、生徒たちはガタガタと席についた。
ガラッと教室のドアが開いて、担任の緋高 由佳子(ひだか ゆかこ)が後ろに少女を連れて入ってきた。
生徒たちが少女を見てざわざわとしゃべっている。
そんな生徒に由佳子は
「はぁい、静かに。今日は、転校生が来てます。こんな中途半端な時期だけど、仲良くしてあげてね。
じゃっ、自己紹介をお願いするわ。」
と、紹介した。
由佳子に言われて少女は、みんなの方を向いて
「月城 咲良です。よろしくお願いします。」
と挨拶し、ぺこりとお辞儀した。
またざわざわと生徒たちが騒いだので、由佳子は手をパンパン叩いて、静かにし
「じゃあ、月城さんの席はそこの列の1番後ろね。」
と咲良を案内した。
咲良は、とても緊張しながら席についた。
隣では、龍一がニコッと笑って咲良を見ていた。
「最初の授業は、現国だから、遅れないようにね。
それじゃ、ホームルームは終わりっと。」
休憩時間の間、咲良はクラスの人たちに囲まれて質問ぜめになっていた。
人と接するのが苦手な咲良は、困ったような顔をした。
今まで、こんな接し方を経験したことがないので咲良は驚きよりも喜びを実感していた。
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