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雫はフロージーを破壊するために、すでにかなりの力を使ってしまっていた。そのため、傷をなんとか塞ぐことで精一杯だった。 麻里の提案で、咲良を麻里と修行したあの村で休ませることになった。 「その村に、なんか変なおじさんがいてさ。自分の小屋を使えって、小屋を貸してくれたんだけど……。最初はちょっと怪しく見えて、不安だったんだ。」 「……まあ、おじ様は少し変わった方でしたからね。そう見えてもおかしくはないです。」 それから、治療のために雫を残し、安全のために鈴音と彩香をそこに残して、龍一たちは壊れた町の復旧する手伝いをした。 聞けば、一番被害にあったのは咲良たちが住む船津町だけで、他の町はそれほどの被害はなかったのだそうだ。 またフロージーによってコアを傷つけられた時、多数の葉光神がシミラやヨグリスに殺されてしまったのだそうだ。 国は一時、それをコアへの侵入を許した咲良の責任だと見なしたが、結果的にフロージーを破壊したので、今回は追及まではしなかった。 仮にそうなれば、龍一たちが全力で抗議したのだが……。 あれから2ヶ月が経ち、町もようやく戻り始めているが、完全に復旧するにはまだまだ時間がかかる。  
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