選択

24/24
前へ
/620ページ
次へ
今となっては、ただ推測するしかないのだが……。 「クレディア……、私ちゃんと約束守ります。……退院したら、あなたのお墓をつくって、毎日いろんなことを話しに来ますから。」 葉光神としてやるべきことは、もうないのかもしれない。 でも、月城 咲良としてのやるべきことはまだまだたくさんある。 クレディアの力はもうないけど、でも咲良は信じていた。咲良の魂にはクレディアがいる、と。 ……だって2人の魂は融合されて、1つになっているのだから。話すことは出来なくても、そばにいる。 咲良にはそれが判っており、またそう信じている。今までも、そしてこれからも。 病室のドアがガラリと開いて、医師や看護師が入ってきた。その後ろに龍一も続く。 医師に傷のことや体調のことをあれやこれやと質問された。 ふと、邪魔にならないようにスミにいる龍一と眼が合った。 ―――おかえり、咲良…――― その表情はそんなことを言っているように、見えた。 だから、咲良も答えた。 ―――……ただいま…―――  
/620ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加