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今となっては、ただ推測するしかないのだが……。
「クレディア……、私ちゃんと約束守ります。……退院したら、あなたのお墓をつくって、毎日いろんなことを話しに来ますから。」
葉光神としてやるべきことは、もうないのかもしれない。
でも、月城 咲良としてのやるべきことはまだまだたくさんある。
クレディアの力はもうないけど、でも咲良は信じていた。咲良の魂にはクレディアがいる、と。
……だって2人の魂は融合されて、1つになっているのだから。話すことは出来なくても、そばにいる。
咲良にはそれが判っており、またそう信じている。今までも、そしてこれからも。
病室のドアがガラリと開いて、医師や看護師が入ってきた。その後ろに龍一も続く。
医師に傷のことや体調のことをあれやこれやと質問された。
ふと、邪魔にならないようにスミにいる龍一と眼が合った。
―――おかえり、咲良…―――
その表情はそんなことを言っているように、見えた。
だから、咲良も答えた。
―――……ただいま…―――
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