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麻里は相変わらずの元気さで生活している。
休みになると、決まって咲良の住むアパートに遊びにくる。
咲良と麻里の家は、車でも1時間はかかる距離のはずなのだが……。
そして、咲良たちの戦いは今では都市伝説の1つとして、ウワサされている。
いまだに、何故普通の人々にシミラや葉光神が見えたのかは判らないままだ。
「わーっ!! 綺麗~!」
雫が目の前の海に負けないくらい、眼を輝かせた。
「麻里、どうやって見つけたんですか? こんな場所。」
「あははは。おじさまに聞いた秘密の場所らしいよ。でも、ちゃんと遊泳の許可は出てるみたい。」
話し合う咲良と麻里のそばを、鈴音と彩香が走りすぎる。
「やっほー!! 海だっ。彩香ちゃん、泳ぐよぉ!!」
「うん!! 泳ぐよー!」
キャッキャッとはしゃぐその姿は、見ていてとても和んだ。
「しっかし、こんな広いんなら、速人たちも呼べば良かったな。」
龍一がパラソルをたてながら言う。
「そうですね。大勢いれば、楽しいでしょう。」
「まあ、いいじゃん。龍一くん、今日は女の子に囲まれて、本当は嬉しいんでしょ!」
「ばっ! そんなんじゃねぇっ!!」
顔を真っ赤にする龍一をさらに麻里はおちょくる。その様子を咲良はニコニコして、見守った。
「おーい! みんなぁ! 早くおいでよぉ!!」
先に入った雫たちが手を振った。
咲良は、照りつける太陽を見つめて、雫たちの方へ走った。
《完》
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