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しばらく経ち、芹沢と新見がお気に入りの女を連れて先に他の部屋に移動した。
藤堂と原田も女と一緒に部屋を出て行く。
沖田は違う女と話しこんでいる。
「永倉はん…
他の方々も別の部屋にいかれましたので、私たちも別室に行かれませんか?」
残った花魁が永倉にもたれ掛かりながら言った。
その花魁は、どこか翔に似ているため、永倉は特に気に入っている。
花魁を見て永倉は翔のことを思い出し、一瞬戸惑った。
「…悪いけど、俺には妻が…」
「奥様がいらっしゃいますのね。
ですが、ここは島原…
せっかくいらしたのですから…」
「…」
永倉が俯くと、花魁は永倉を覗き込んできた。
その顔が翔にそっくりで、永倉は思わず…
「翔…」
と呟いた。
花魁はその声が聞こえなかったように振る舞い、永倉に口付けをする。
永倉はそれを拒むことが出来ない。
そのまま永倉と花魁は別室に移動した。
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