夜の国のアリス

ドジソン：さぁ、今日は勉強をやめてお話をしてあげよう。不思議な不思議な国に迷い込んだ二人の女の子のお話だ。
好奇心豊かな一人目の彼女はウサギ穴を通ってトランプの女王の統べる世界に。空想好きな二人目の彼女は赤の女王が統べるチェスの世界に。
二人はたくさんの不思議を通して、たくさんの事を知る。
にやにや笑いの猫やベストを着たウサギ。終わることのないお茶会や、ながいながいコーカスレース。不思議な双子。チェスでの決闘。
でも同じであるのは、夢から覚めれば不思議の国から帰ってきた事。
…ロリーナ、イーディス、アリス。君たちは不思議の国に行ってみたいかい？

ロリーナ：ええ。なんだかわくわくするじゃない。

イーディス：つまんない。お外で遊んでるほうがずっといいわ。

ドジソン：アリスは？

アリス：…なんだか不思議の国ってとても怖いところなのね。

ドジソン：そうか。三人ともまったく違う意見のようだね。それでまったくかまわない。…そういえば、この物語の主人公はアリスと言うんだよ。アリスと同じ名前だ。ここのアリスはどんな冒険をするのかな？…あ、ロリーナも、イーディスも。

アリス：(それは幼い私たちには気付かなかった、とても幸せだった日々。
これから起きる未来など知らず、ただ、無邪気に笑いあえていた日々。）