Do you like the crevice ?

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     みんな「隙間」って好きだよね。    いや、これは私の独断と偏見による意見だから聞き流しても全然構わない。むしろ「嗚呼、アホなこと言ってるな」って思ってくれる人が多いと私は嬉しい。ものすごく嬉しい。何故なら私の負担が減るから。    何のことを言っているかわからない人が多いはずだから順序よく進めていこうと思う。  とりあえず独断と偏見にまみれた「人類皆隙間好き」の話を続けるね。    こう、入るか入らないか際どい隙間は尚更好きだと思うんだけれどもどうだろう。壁と壁の間に体をねじ込んでみたり、押し入れの布団と布団の間に頭突っ込んでみたり、みんなきっと一度はやったことあると思う。今からやってみようって思っちゃったチャレンジスピリッツ旺盛な人は、度を越えると挟まって出られなくなったり、危うく窒息死って結末になりかねないから気をつけてね。とにかく死んでもらうと私が困る。滅法困る。    何で困るのか。  「スズメ百まで踊り忘れず」ってことわざを知ってる? 小さい時の記憶や習慣は年をとっても忘れられないってことの喩えなんだけど、私は断言する。年をとってもとは随分な謙遜だ。人は死んでもその習性は忘れない。即ち「隙間好き」は死後も「隙間好き」。    隙間にこだわりすぎ?  そりゃ、こだわりたくもなる。だって私の体と魂の間には少しだけ隙間があるんだから。直に確認したわけじゃないよ、第一どうやって見ろっていうのさ。    私に「隙間」があるという確信は、とある事実に基づいている。端的に言ってしまえば私は「憑かれやすい」体質なのだ。即ちそれは、私には隙間があって、その隙間に入りたがる霊魂も多いってことに他ならないでしょう?  
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