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二人がたどり着いた場所は、富山の滝の前だった。 「ここは…」孝輝が言い掛けた瞬間。目の前に突然女性が現われた。「貴方は?」問い掛けると、女性は口をひらいた。 『私は、里見の伏姫。犬塚信乃と犬川荘助の子孫よ。待っていましたよ。』 「俺達を?」 『えぇ。貴方達の時代に、再び玉橲が蘇りました。どうか、玉橲を止めてください。彼女もこの戦乱の世の犠牲者なのです。』 「そんなこと言われたって…僕達はこの前まで、ただ学生だったんですよ!」 『大丈夫…貴方達は、単なる犬士の子孫ではありません。犬士達の生まれ変わりなのですから…それに、この村雨丸と、貴方達が無くした、眠れる力と記憶を、呼び起こしましょう。』そう言って伏姫は、村雨丸を孝輝に託し、二人に何やら念を込める。すると、信乃と荘助が現れ、それぞれの胸元へと、手を当てた。そして、二人の中へと、光り包まれながら消えていく…すると珠が再び光り始めた。 『さぁ、貴方達の時代に戻りなさい。そして、残る犬士を探し、玉橲を止めてください。…頼みましたよ…』伏姫が微笑むと、二人は現代へと、引き戻された。
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