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「――…はぁ」
あの日から2日たった。俺は目が覚めると保健室にいた。きっと彼が運んでくれたのだろう。
だけど彼の姿はなかった…
俺はあの後どうなったのか気になり美術室に行くと、ガラスの破片は片付けられ、窓はブルーシートに覆われていた。
彼が先生に伝えてくれたのだろうか……
そう思っていると、美術部の顧問の先生が来て――
「おい、樋渡どこに行ってたんだ?
お前の様子を見に来てみれば、窓は割れてるし、お前は荷物があるのにいないし……何があったんだ?」
「え?…あ、あの……誰かが先生に伝えたんじゃないんですか?」
「…いや。誰からも聞いてないぞ」
確かに彼は『俺のせいだ』と言っていた。誰にもこの事を伝えていないと言うことは、彼は逃げたのだろう…
美術室の窓が割れたのは、野球のボールが飛んできたのが原因だと先生に説明された。教室に野球のボールが落ちていたことから、そう推測されたみたいだ。
でもその日、野球部は練習試合のためいなかった。
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