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『にッ、【25】ってッッ!へぇ~こりゃまたヘビーな数字の人見ちゃったもんだよね兄ちゃんッッ!』
猛は家に帰るとこの超能力の唯一の理解者である弟の賢太に店主の寿命の事を打ち明けた…
『ハァ~…ため息ばかりさッッ、落ち込む~…』
『あのおじさんいい人だぜッッ、こないだだって漫画の立ち読み1時間もさせてくれたし雨に濡れたゲームの攻略本取り替えてくれたしッッ!』
弟のいい人の判断はそんなチンケな物か…猛は頭を抱えた…
『けど確かにいい人ほど早く死ぬって言うよな…こないだテレビで見た栃木の連続強盗犯人なんて死刑の判決出たってのにまだ寿命は【2804】も残ってるんだもん…つまり次の裁判で死刑判決は取り消されまだ8年近く生き続ける、つまりこういう事だろ?』
『ん~兄ちゃん僕難しい事はよく解んないんだけど寿命が解る能力ってやっぱどこかヘビーだよ、うん…』
『解ってるよそんな事、この6年間身に染みて解ってる…』
猛は二段ベットの下で仰向けになり寝そべった…
(きっといつか賢太やお母ちゃんや父ちゃん、藤谷さんの寿命だってこの目で見てしまうハメになるのかな…ヤダヤダ、そんなの絶対に絶対にヤダヤダッッッ!)
『ちょっと兄ちゃんベット揺らすなよッッ、ゲームに集中出来ないじゃんかよッッ!』
二段ベットの上から賢太の脳天気な声がした…
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