⏳人生終焉配達少年⏳

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『えぇっッッ、父ちゃんあの本屋の店長さん知ってるのッッ!?』 『知ってるも何も雛だろッッ、ハァッ、ハァッ…《雛形秀作》、父ちゃんの高校ん時の同級生だってのッッ!ハァッ、ハァッあと100回ッッ、ファイヤーッッッッッ!』 その晩猛は例の《本屋のおじさん》についての思わぬ情報を手に入れた…あの本屋の店主は父孝輔と高校の同級生だったというのだ… 『でッ、で…詳しく教えてよッッ!そのヒナ、雛…さんの事ッッ!』 『はぁん?何で猛が雛の事知りたがるんだよッッ!?ハァッ、ハァッ…ヨッシャァ!』 父孝輔は息を切らせ腕立て伏せのメニューを終えると今度は腹筋を開始した…夜の筋トレは父孝輔の毎晩の日課になっている… 『聞きたいんだよッ、いや…その…あの本屋さんには親切にしてもらってるから…ハハハ…』 『フン、変なヤツだなッッ…まっいいけどよッッッ、腹筋終わるまでちょっと待てッッ!フガァァッッッッ!59ッッ…60ッッ!』 今に始まった事ではないがウチの父親は相変わらずもの凄いテンションだ…だが自分も昔はこの父親ばりのハイテンションで日が暮れるまでずっと野山を駆け回っていた記憶がある…こんな馬鹿みたいな超能力を宿し苦悩の日々を迎える前までは… 『はい、プロテイン…』 『おぅ、サンキュサンキュ…で、雛ん事だったな…』 タオルを肩からかけ日課が終わった孝輔は汗だくでプロテインを一気飲みした… 『雛形は二年、三年と父ちゃんと同じクラスでなッ、そらもうもさい男子が羨むくらい女子からモテモテでよッッ、』 『…そんな昔の話はどうでもいいからさッ、最近の様子とか…』 『……んだよッ、こっから父ちゃんの武勇伝が始まるのによッッ!』 『要らないからそこはッッ!』
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