⏳人生終焉配達少年⏳

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どれくらいそこに横たわっていただろうか…猛は冷たい雨粒が頬に当たる感触で目を醒ました… 『!ッッ、ち、ちょっと猛じゃんかッ、お前こんな所で何就寝コイてんだよ馬鹿ッ、風邪ひくだろがッッ!』 頭上で聞き慣れた甲高い声がした… (ふ…藤…谷さん…ッッ、) 猛の横に傘を射したあのクラスメートの幼なじみ、藤谷若菜が目を丸くして立っていた… 『あ~なるぅ~…長中のヤツらにカツンされたんだな…馬鹿ッ、やられたらやり返せッ!…ンダァ~しょうがねぇなぁ~』 若菜は猛の肩を取ると公園の雨のかからない藤棚のベンチまで運んでやった… 『藤谷さんどうしてここに?』 猛は若菜に借りたタオルで頭を拭いた…タオルからはプ~ンといい香りがした…男勝りを気取ってはいるがこんな所はやっぱり女だ、猛は少し苦笑いした… 『馬鹿ッ、どうしてもこうしてもねぇよッッ、買い物帰りに公園の横歩いてたら公園のど真ん中に粗大ゴミ捨ててあったから誰だよこんな場所にゴミなんか捨ててこんなエコ時代にほんと承知しないぞチキショッてな具合に見に来てみたら猛…お前だったって訳…』 『ま…前置き長いよ…ハハハ』 藤谷若菜はいつものトレードマークであるポニーテールの髪を肩まで長く下ろしていた…ボーイッシュ決める割には短髪にしない若菜の不思議なポリシーに猛はいつも困惑する… 『で…何かあったのか?』 『え?……』 『逃げ足の速いお前が長中の不良に絡まれたって事はただ事じゃねぇじゃんかッッ、ホラ言ってみなッ、何があった?』 若菜は足を組み直した…猛より身長も高く、小6離れした長い脚とスタイルには猛はいつも圧倒される… 『言っても信じないよッ…』 猛は吐き捨てるように若菜に言った… 『っクッ…しんきくせぇガキだな全くッッ!』 『…藤谷さんだってガキじゃん…』 その瞬間猛は頭を若菜に叩かれた… (り、猟奇的小学生ッッ…クッ…)
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