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《初めて逢った時の印象ははっきり言って薄かった…いや、殆どないに等しかった…ただ今まで自分の見た数字の中で史上最高数値を叩きだした事だけは覚えている…》
(!ッ、わおッ…すッ、スッゲ~…【35020】…ってことは今20歳そこそこだから…!ッッ…100歳越えッッッ!?)
小学校の卒業記念の社会見学の一貫として地元のガム工場の見学に来ていた時の事だった…
『こうしてガムはゴムの木の樹脂から大量の砂糖を混ぜあわせられて出来上がる訳ですッッ!』
狸腹の厳つい工場長の話は上の空で高橋猛はじっとその側でアシスタントとして立っている女性に注目していた…
(う~ん…けど何かこぅ長生きの割には《輝く命の源》ってゆーかァ…全身から溢れ出す覇気ってものがないんだよなぁ~…)
『おい高橋ッッ、聞いてるのかッッ!?何よそ見しながらブツブツ言ってるんだッッ?』
『あッ…す、すみませんッッッ!』
メモを取るクラス全員が猛を見て笑った…
『お前はクラス委員なんだから後できちんと代表質問するって役割残ってるぞッ、だからしっかり話聞いておけよッッ!』
黒眼鏡の陰気な担任葛西太は自覚のない猛を睨みつけた…
(だッ、誰が好き好んでクラス委員なんか…なるの嫌がって皆で僕の事陥れたんじゃないかよッッ!べ~ッッ!)
猛は説明の1番前に立つとメモを取るフリをしながらさっきの女性を横目で眺めていた…
(………何かひっかかるんだよナァ~)
猛の中で変な胸騒ぎがした…
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