⏳人生終焉配達少年⏳

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⏳人生終焉配達少年⏳

(ひぇ~ッ【3250】だって…あの裏の北川の意地悪雷親父まだ10年近くも生きるのかよッッ!チェッッ、) (え~ッ…う、嘘だろッッ!?あの優しい駄菓子屋の清美婆ちゃんがあと【312】って…もう一年きってしまってるッッ!そんなぁ…清美婆ちゃんにはもっともっと長生きして欲しかったのに…そういえば心臓悪いってこないだ言ってたっけ…じゃそれが原因なのかな…) 真っ黒なランドセルを背負いながら高橋猛は通学路である近所の商店街を心痛な面持ちで通過した… (今日も見えてしまった…人の寿命…ハァ~…) 学校帰りの猛はなるべく顔をあげずじっと地面だけを見て歩くのがいつしか癖になっていた…とは言っても普段の生活で人の顔を見ないで生活する事等到底不可能に近い… 『あ~猛ちゃんお帰り…』 『………』 『フン、こっちが挨拶してんのに目すらも合わせないで何よあの態度ッッ、ほんと愛想のない子だねッ、可愛いげない…』 人と顔を合わせる度に猛は憂鬱な気分になる…そんな猛を近所の住人はいつしか愛想のない高橋の息子の兄の方と口々に噂するようになっていた… (バカ大人どもッ…人の気も知らないくせに…何とでも言えッッ、バカバカバカッ!) 心の中で陰口を叩く人間に散々毒付きながら猛は家の玄関を開けた… 『あら、早かったのね…』 居間から猛の母貴子の声がした… 『ただい………!ッッ』 居間に入ると猛は居間で流れているテレビのワイドショーに出演している次期総裁選挙に立候補する予定の大物政治家の顔を思わずじっと凝視した… 『ん?…何どうしたの?…』 『あ…いや何でもないよママ…』 『……変な子…政治家のテレビなんか興味ないでしょ?』 (【289】か…あの人来年総理大臣にはなれないな…それまでに…) 猛は重いランドセルを一度担ぎ直すと階段を昇り自分の部屋に向かった…
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