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「ちょ、ちょっと!どこに行くのよ!」
「どこって……帰るんだよ」
リユスは何を当たり前のことを聞くんだ、といった顔をした。
そりゃ、仕事が終われば帰るのは当たり前なのだが。
「待ちなさいよ!あんたは……」
「一般人プラス貧乏人に名前を聞くのか、最近の名門は?」
リユスは侮蔑と嘲笑を思いっきりこめた笑みを浮かべた。
アイラは悔しそうな顔をすると、下唇を噛んだ。
「覚えておきないさいよ……!」
「会うことないから忘れる」
リユスはそう言い捨てると、また歩き出した。
そして懐から紙を出すと、それを丸めて捨てた。
「依頼終了。協力者一名っと」
リユスはそういうと歩き出した。
残されたアイラは悔しそうな顔でその場に座っていた。
「何よアイツ何よアイツ!」
アイラは立ち上がると、槍を腰に収めた。
ふと地面を見ると、リユスが捨てた紙が落ちていた。
アイラはそれを拾い上げてみると、そこには依頼の内容が書かれていた。
「な、何よアイツ。ギルド【フラグメント】の者だったってわけ?」
アイラは紙を握り締めると、リユスが歩いていった方向を睨んだ。
「だけど、名前は覚えたわよ……!リユス!」
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