二話-入学の時期-

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「……で?俺はなぜいきなり縛られているんだアバスト?」 「何って、お前が逃げないようにするためだよ」 リユスはベアウルフを倒した後、ギルドに戻り報酬を受け取ろうとした。 そしてさっさと何処か行こうとした所、アバストに捕まり、ギルド長室に連行された。 リユスはわけのわからないまま、縄で縛られギルド長室に転がされたのだった。 「さてリユス君、ひとつ聞こうか。僕は確かに君に暇を出すとは言ったよ」 「ああ言われた。だから……」 「だけどリユス君。僕は君を『旅に行かせる』という許可を出した覚えはないよ」 「自由って言ったじゃん!」 「そこでリユス君、君にいい話がある。」 「俺の話を聞け」 アバストはリユスの話を完璧に無視して、机の上に置いてあった書類を手に取った。 それをリユスの前に差し出した。 リユスはそこに出された紙の内容を見た。 「……入学手続書?」 「そうだ。お前には僕が経営してるって言うか創設した学園に通ってもらう」 「それって経営難だから一人でも生徒が欲しい、とかそういう類の理由じゃないよな?」 リユスは怪しむような顔でその紙を見た。 しかし、アバストはそれとは違い、真剣な顔つきをしている。
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