順藤 恵莉 〔Ⅰ〕

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 小さい頃から誰かと遊ぶ機会が殆ど無かった私にとって、彼女との出会えたことはとても素晴らしいことだった。太田亜季。彼女は何でも出来て、それでいてとても格好良い彼氏がいるのだ。  私はそんな彼女を羨ましく思う。しかしそれ以上に、その完璧な女性が私の友達であることを誇りに思った。  私たちが出会ったのは、大学に通い始めて数日のこと。最初の二、三日は、男たちが群がっていたが、彼女には彼氏がいることを知って諦めていった。とても人気がある女性だったから、近寄り難い人なのだろうと思っていた。しかし私が一人で昼食を摂っている時、彼女は私の向かい側に座り、話しかけてきたのだ。  彼女は私が一人でいるのを良く見掛けていて、気になったから話しかけてきたのだそうだ。きっと彼女は中高生のとき、学級委員などをやっていたのだろうと予想していて、それは見事に的中した。
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