太田 亜季 〔Ⅰ〕

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 私は彼ほど学力が無かったけれど、同じ大学に通うため、寝る時間を割いて勉強をした。しかし結局は彼の望む大学に合格はできなかった。私はもう一つ下のランクの大学に合格して、そこに通っていた。  同じ学校には通えなかったけれど、それでも私たちは二日に一回は会っていた。これは彼が言い出したことで、私はとても嬉しかった。だって、学校も全然逆の方向なのに、こんなにたくさん会えるだなんて思ってもいなかったから。一週間に一度会えれば良い方なのだと思っていたから。  そして私は、彼と会うときに、大学の友人を連れて行くことが多くなった。私は彼を自慢したかったのだ。彼に会う友達は皆、期待通りの反応を見せてくれる。それを見ていて本当に楽しかった。もう篁のことなどどうでも良かった。彼だって篁のことは話さないし、きっともう忘れているのだ。もう、私だけを見てくれているのだ。そう思いかけていたとき、私の邪魔者が現れた。
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