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愁が、片足の僕に肩を貸してくれて、漸く僕らは河原から上の道路に出る事が出来た。
道路の先には行楽客用の小さなパーキングがあって、そこのベンチまで行くと僕を座らせて、愁が言った。
「トイレ行ってくるから待ってて。」
僕は頷いて、トイレに向かう愁の背中を見つめる。
凛とした背中。
同い年なのに、大人な愁に僕は第一印象とは真逆の…
憧れにも似た、奇妙な感情を抱き始めていた。
……… アレ?
「愁っ!そっち女子トイレだよっ!」
慌てて、愁に声を掛ける。
愁のヤツ…意外とおっちょこちょいだなっ♪
愁は僕の声に振り返ると、
「だから 何っ?」
と叫び又前を向いて、首を傾げながら、女子トイレへと消えて行った。
──── って……
えぇぇぇ?!
女だったのぉ?!
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